なぜ霧馬山は大関に上がれたのか? 3月場所での初優勝
・3月場所での初優勝
印象という意味では初優勝が大きかった。3月場所は14日目終了時点では星一つ差で大栄翔がリードしており、大栄翔の二度目の優勝が見えていた。しかし霧馬山にとってラッキーだったのは千秋楽で大栄翔との直接対決が組まれたことである。そして本割と決定戦で連勝し、逆転優勝を果たした。確かに優勝し、部屋に賜杯と優勝旗をもたらしたのは素晴らしいが、実質的な部分では本割の相撲に勝ち、12勝に星を伸ばしたのが大きかった。1月場所は小結で11勝を挙げており、2場所連続通算で23勝なので5月場所では10勝が目安となり、大関昇進へのハードルが下がった。ハードルが下がれば負けられないといったプレッシャーも軽くなり、自分の相撲を取ることに集中できる。結局審判部は14日目終了時点で10勝というノルマを明言したが12日目に10勝目を挙げ、ノルマを見事に達成した。もっと言えば3月場所14日目は不戦勝だった。相手は若隆景であり、対戦成績は9勝5敗でリードしているものの、動きが速く、厄介な相手である。勿論本人の実力が一番だが、予期せぬ不戦勝からの流れが大関昇進への流れを作ったと言ってもいいかもしれない。
続く
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