大相撲9月場所個別評価 翔猿

2020年11月22日

 東前頭14枚目という位置で新入幕だったが11勝4敗の好成績で敢闘賞を受賞した。初日から4連勝と好スタートを切った。そして7日目は千代大龍を破り、優勝争いのトップに並んだ。8日目は敗れるも他の1敗力士が全員敗れたため優勝争いのトップに並び続けた。結局この状況が13日目まで続いた。後半戦は勢いに乗り、番付上位の力士を次々に破った。さすがに協会審判部も焦ったのか終盤2日間は割を崩し、14日目は貴景勝、そして千秋楽は正代との割を組んだ。新入幕力士としては異例である。貴景勝戦は動きをじっくりと見られた時点で勝負がついていた。結局敗れて3敗となり、優勝争いのトップから脱落した。千秋楽の正代戦は勝てば優勝決定戦に進出できたが本割で敗れ、決定戦に進出することはできなかった。しかし新入幕ながら千秋楽まで優勝争いに絡んだのは立派である。正代と並んで話題の中心となる活躍だった。

 内容に関しては突き押しで間隔を取ってからの多彩な技が光った。翔猿の相撲は突き押しとは言っても押し切るのではなく、間隔を取りながらいろいろと技を繰り出し、相手を翻弄するのが翔猿の相撲である。それでも最近は突き押しの威力が増し、体重も増えたので押されにくくなってきた。そして相手を土俵の外に出す相撲ではないが前に出る圧力が増しているので技も決まりやすくなっている。十両時代は土俵下に飛び出すような相撲も多かったがそれも減ってきた。また十両で2年半経験を積んだ成果が今場所発揮されたともいえる。年齢も28歳であり、右も左も分からない年齢ではない。私的には今場所の翔猿の活躍は驚きが半分、納得が半分といったところだ。いずれにしても十両で苦労した力士が新入幕で大活躍したのは観ている方としても嬉しい限りである。

 11月場所に関しては番付を大幅に上げるが活躍を期待したい。また対戦相手がどう対策を講じていくかも楽しみである。今後に向けてはやはり突き押しの強化が求められる。相手を土俵の外に出せるくらい圧力が増せば多彩な技も活きてくる。そして更なる増量である。現在131キロだが10キロは無理でもあと5キロくらいは増やしたい。まだ成長の余地はあると思うので今後に注目したい。