2026年7月場所を振り返って 優勝決定巴戦 優勝した安青錦に関して

 それにしても安青錦の強靭な精神力には驚かされる。巴戦では左廻しを取れなければ勝てないと悟り、廻しを取ることに集中した。また巨漢の熱海富士には鋭く踏み込み、体が大きくない霧島には体勢を低くして廻しを取っており、工夫しているのが分かる。しかも相手もそれを分かっている中で取れており、取ってしまえばあとは自分の流れで相撲が取れる。

 本場所では8日目の隆の勝戦で7勝目を挙げたものの新たに左足親指を痛めており、取組後はしばらく立ち上がれなかった。この時点で大関復帰まであと3勝だったが、3つ勝てるのかさえ疑問に思ったくらいである。しかし後半戦は連勝して11日目に勝ち越しを決めるとともに優勝争いで単独トップに立った。その後も優勝争いの主導権を渡さなかった。目標は横綱であり、そのための試練と受け入れた上で結果を残した。師匠の安治川親方(元関脇安美錦)も「本来は相撲を取れる状態ではなかった。いつ(出場を)ストップするかを考えていた。よくやったとしか言いようがない」と愛弟子をほめたたえた。

 あとは欲を言えばより高いレベルでの優勝を求めたい。3度の優勝はいずれも12勝3敗であり、決定戦を制してのものである。内容も場所を通して圧倒している訳ではなく、安定感と勝負強さで優勝している印象が強い。今後に向けては増量は不可欠であり、パワーアップした上で前に出る圧力を更に強くしたい。それができれば横綱になるのは時間の問題である。

続く