2023年1月場所個別評価 照ノ富士

 今場所も全休した。これで3場所連続休場となった。年末に稽古を再開したようだが膝の痛みが再発したので稽古できなくなったみたいだ。昨年の10月に両膝の手術を行っており、休場は想定の範囲内である。

 そして場所後の1月30日に明治神宮で奉納土俵入りを行い、終了後に報道陣の取材に応じた。どうやら1月場所中に廻しを付けて体作りに着手していたらしい。あとは相撲を取る稽古をした時に膝は大丈夫か?。そして横綱としての役割を果たせるレベルまで回復できるか?。といったところである。両膝が完治しないのは分かっており、その意味では見切り発車の可能性は十分ある。

 今後に関しては1月場所後は巡業がなく、季節的にまだ寒いということもあり、3月場所も休場が濃厚である。あとは3月場所後の春巡業に参加するか?。そして5月場所に出場してくるかがポイントになりそうだ。仮に5月場所も休場するようだと5月場所後は巡業がなく、7月場所は名古屋開催の上に暑い季節である。横綱が復帰する場所としては不向きであり、そうなると東京開催の9月場所ということになる。あとは横綱審議委員会がどこまで待てるかという部分もあり、横審の発言の限りでは取りあえずは3月場所までは待ってくれそうである。その後は状況次第といったところだと思う。自身の体調だけでなく、横審の顔色をうかがいながら出場するかどうか決めるということにもなりそうだ。

 勿論横綱として復活してくれるに越したことはない。しかし本人が言うには本来なら人工関節を入れなければならない膝のようである。そうであるならば日常生活に支障が出るレベルであり、後々のことを考えれば無理をしないで欲しいというのが私の気持ちである。引退した後の方が人生が長いのは明らかであり、復活を目指すと同時に引退を含めて後先を考える必要があるのではないだろうか。当然だが後々に悔いの残らないような判断をしてほしい。