照ノ富士は復活できるのか? その1

 照ノ富士は今場所は成績が振るわず、両膝を痛めたということで10日目から休場した。また最近は大関陣がだらしなく、横綱が1人で背負っていた印象が強いので余計に残念である。それでは照ノ富士の近況を見ていきたい。

 去年の9月場所に横綱に昇進したが2場所連続優勝を果たした。しかも11月場所は全勝優勝であり、照ノ富士時代の到来を予感させた。しかし今年に入ってからは優勝は5月場所の1回のみであり、3月場所は途中休場している。土俵を見ても膝を気にする素振りが多くなった気がする。また7月場所5日目は逸ノ城に寄り切りで敗れたが、組み止めればほぼ負けることのない力士がそのまま寄り切られたのは衝撃だった。そしてこの頃から組み止めるのに苦労する相撲内容が増えてきた。対戦相手に研究されてきたのもあるし、膝の痛みが原因で圧力が弱くなったのも要因として挙げられる。徐々に膝の痛みが増し、痛みに耐えられなくなっての休場だったというのは相撲を観ていてもよく分かる。

 怪我に関しては両膝が悪い状態だが、師匠の伊勢ケ浜親方によると右膝の方が特に悪く、骨が完全にずれているとのことである。そして手術の可能性もあり、手術をすれば長期休場は免れない。手術は本人の意思次第だが、その可能性は高いと私は見ている。また個人的には手術をして一から体を作り直したほうがいいと思う。中途半端な状態で出場して横綱としての責任を果たせなかったら出場している意味がないということになる。

 仮に手術をして膝の状態が回復したとしても筋力を回復させる必要がある。そして横綱としての責任を全うできるレベルで相撲が再び取れるようになるのか?。周囲が待ってくれる状況にはなるかもしれないが、照ノ富士の気持ちの問題もある。つまり復帰に向けたトレーニングで気力が保てず、そのまま引退という可能性も否定できない。

続く