2025年11月場所個別評価 王鵬
今場所は4場所ぶりの関脇復帰となったが7勝8敗で負け越した。前半戦は平幕との対戦が多かったが3勝5敗ということで苦しい星勘定になった。そして後半戦は10日目からの上位戦で3連敗し、12日目に負け越しが決まった。しかし終盤は3連勝し、三役残留を濃厚にした。
内容に関しては押し合いの攻防の後主導権をつかめず後手後手に回るといった相撲が多かった。そして勝った相撲も押し切れずに回り込んで叩くといった内容が目立った。また上位戦はいずれも一方的に前に出られての完敗であり、見せ場も作れなかった。残り3日は地力の違いで白星を並べた。粘りを見せて三役の地位を確保した点は評価できる。それでも左おっつけからの前に出る相撲は取れておらず、自分の相撲が取れなかった印象が強い。
さて今年の王鵬は1月場所で優勝決定戦に進む活躍を見せ、次の3月場所で新関脇となった。しかし1場所で平幕に陥落し、三役定着はできなかった。それを考えると今場所三役に残留できる成績を残したのは三役定着に向けて意味がありそうだ。
来年に向けては関脇~平幕上位は大関に昇進した安青錦を除けば力はほぼ横並びといった状況である。よって横並びから抜け出せるかが焦点となる。単純に言えば年上の高安や霧島に勝てないようでは大関はまだまだということになる。そして安青錦に先を越されたので危機感を持ちたい。
来場所は小結となるが、最低でも勝ち越し、二桁勝利を狙いたい。そして今度は上位力士を倒すなどして見せ場を作りたい。地力は持っており、大関候補の一人であることは確かなので更なる飛躍が期待される。
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