2022年7月場所を振り返って 優勝争い その3

 さて後半戦だが、優勝争いの前に立ちはだかったのがコロナ感染だった。現在は部屋にコロナ感染者が出た場合はその部屋の力士全員と関係者が全員休場となる。中日で優勝争いのトップに立った7人に関しては一山本が9日目から、琴ノ若が11日目から、翔猿と錦木は13日目から休場となった。いずれもコロナ関連による休場である。勝敗は別にして千秋楽まで無事「完走」できたのは照ノ富士、逸ノ城、錦富士の3人だけだった。これだけを見ても異常事態が続く中での本場所だったというのが分かる。特に残念だったのが琴ノ若である。最近は上位力士を破ることが増え、10日目に3敗となったものの、優勝する可能性が残っていた。しかし11日目に部屋関係者の新型コロナウイルス感染に伴い休場となってしまった。無念だと思うが、この悔しさを来場所にぶつけてほしいとしか今は言えない。

 優勝争いに話を戻すと11日目終了時点で2敗は照ノ富士と逸ノ城の2人となり、マッチレースの様相を呈してきた。逸ノ城は平幕だが優勝争いをした実績がある上に役力士との対戦は全て終えており、あとは平幕力士との対戦を残すだけである。逸ノ城が有利とまでは言えないが、逸ノ城が星を落とさない上で横綱が負ければ優勝が見えてくるという状況にはなった。そして3敗で4人が追いかける展開となったが、その中の1人が貴景勝である。本調子とまでは言えないが、中日から連勝し、調子を上げてきたのは確かである。大関に関しては最近は優勝どころか優勝争いにすら絡んでいなかったので少し面白い展開になってきた。12日目はトップの2人は2敗を守ったが3敗は貴景勝1人となり、この時点で優勝争いはほぼ3人に絞られたと言っていいと思う。

続く