2022年7月場所を振り返って 優勝争い その1

 2022年7月場所は西前頭2枚目の逸ノ城が悲願の初優勝を果たした。それでは優勝争いを振り返っていきたいが、その前にコロナ関連で休場した力士が続出した件に触れない訳にはいかない。

 7日目に大関御嶽海が所属する出羽海部屋でコロナ感染が明らかになったのを皮切りに連日のように部屋でコロナ感染が相次ぎ、感染判明による全休措置は13部屋に上った。また故障者を含む十両以上の休場23人は戦後最多であり、全体でも3割近い174人がコロナ絡みで休場した。

 これまでは感染拡大を未然に防いできたが、初めてコロナ感染で途中休場する力士が現れた。役力士でも御嶽海と大栄翔が休場しており、取組数が減ったことも含めて興行面で多大な影響が出たことは否定できない。感染力が非常に強くなっており、従来の感染対策では通用しないのは明らかである。9月場所の感染状況はどうなっているか分からないが、今場所の結果を踏まえた対策は考えなければいけないと思う。

 そしてもう一つの問題が9月場所の番付である。これまでは本場所前に感染が判明し、休場した力士は原則として据え置かれた。しかし今場所は初めて途中休場が生じた。またその人数も多い。すでに勝ち越した力士、負け越した力士は休場前の成績で判断してもいいのかもしれないが、御嶽海や大栄翔のように勝ち越し、負け越しが決まっていない力士をどう扱うのか?。休場しなかった力士との比較や、番付全体のバランスまで考えるとキリがなくなってしまう。「番付は生き物」とはよく言われるが、協会審判部は難しい判断を迫られそうだ。私的には厳密でなくてよいが、一定の判断基準は必要だと思っている。このご時世なのでそれなりに説明できる判断基準を求めたい。そして場所後の7月27日に番付編成会議が開かれたが、勝ち越し、負け越しが決まっていた力士はそれまでの成績で、そして決まっていなかった力士は据え置かれるようだ。またいつも以上に時間をかけて話し合いが行われたらしい。そして御嶽海に関しては明言は避けたが、大関に据え置きとなりそうである。

続く