2025年11月場所を振り返って 優勝争い 12日目 高安ー豊昇龍戦
そして豊昇龍は結びで高安戦となった。過去の対戦成績は高安が10勝4敗でリードしている。また直近は豊昇龍が連勝しているものの、動きを止められたら劣勢になるのは目に見えており、油断できない相手である。
相撲は突っ張り合いから豊昇龍が右廻しを取ろうとするも高安が許さず、その後は更に激しい突っ張り合いとなった。そして高安が張り手を見せると豊昇龍が張り返すという、幕内後半戦の相撲ではなかなか観られない展開となった。その後は巻き替えの応酬となり、最後はやや動きが止まった高安の懐に入り、豊昇龍が一気に押し出した。また土俵を割った高安をダメ押ししたことで粂川審判長から口頭で注意を受けた。
これで豊昇龍も2敗を守った。そして横綱初優勝に向けて気迫が十分伝わってきた。本来なら横綱なのでもっと簡単に料理して欲しいところである。しかし高安は以前は照ノ富士を苦しめており、技の引き出しをたくさん持っている。しかも相手が嫌がる相撲が取れる力士である。それでも35歳のベテランであり、動きが止まるまで高安の攻めを凌いだことが勝因である。体も動いており、優勝に向けて気運が高まる内容に見えた。なおダメ押しの方がクローズアップされたのが個人的には残念である。以前は白鵬のダメ押しを何回も見せられており、その耐性が付いているので私には大して問題のようには見えない。
12日目終了時点で2敗は大の里、豊昇龍、安青錦は変わらず。そして3敗は時疾風1人となった。また時疾風は上位力士を倒した実績がなく、この時点で優勝争いは2敗の3人にほぼ絞られたと言っていいと思う。
そして翌日からは2敗の3人に琴櫻を加えた「決勝リーグ」となった。このような展開になるのは滅多になく、結果がどうなるか非常に興味深かった。私的には両横綱に安青錦がどれだけ間に割って入れるかがポイントと見ていた。また琴櫻は勝ち越しておらず、勝ち越すためには誰か一人を倒す必要がある。いずれにせよリーグ戦ということで勢いよりも実力が問われることが予想された。
続く
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