安定感抜群! 狼雅 最後に

 今場所は5日目終了時点で3勝2敗である。組み止めた時は勝ち、相手の動きを止められなかった時は負けるといった感じであり、非常に分かりやすい。おそらくこのままいけば勝ち越せるかどうかといった成績になりそうだ。しかし上を目指すためには上手を取ってから攻めるのではなく、ますは右を差し、前に出ながら上手を取る相撲が取りたい。四つは逆だが、若元春のような相撲が理想である。あとは相手の速い攻めを凌ぐ必要性を感じる。今場所でいえば初日の藤ノ川戦のように一気に運ばれる相撲が時々見られるのでその数を減らしたい。その意味で平幕上位に上がるには少し時間がかかりそうだ。

 その一方で今は押し相撲や差す相撲など機動力のある力士がほとんどである。そして攻めを巧みに使い分けている。逆に狼雅のような四つに組み止める相撲を取る力士は本当に少なくなった。希少価値と言っても過言ではない。だからこそ頑張って欲しいという気持ちがある。

 最後に今場所は同部屋の十両の三田が右膝の大怪我を負い、休場してしまった。勢いがあっただけに非常に残念である。元十両の生田目も休場しており、当分は一人で部屋をけん引することになりそうだ。稽古相手がいなくなったので狼雅も辛いかもしれない。しかし狼雅は怪我はしておらず、年齢的にも番付を上げていきたい。また明日は我が身であり、危機感を持って稽古に取り組みたい。地力は持っているので壁を破れば一気に番付を上げる可能性もある。上位力士と対戦し、役力士を倒す日が来るのを楽しみにして待ちたい。

終わり