2022年5月場所を振り返って 優勝争い その1

 2022年5月場所は横綱照ノ富士が12勝3敗という成績で3場所ぶり7度目の優勝を果たした。それでは優勝争いを振り返っていきたい。

 8日目終了時点で全勝、1敗がおらず、2敗で5人が並ぶという異例の大混戦となった。また5人はいずれも平幕力士であり、役力士は1人もいない。その意味で後半戦に向けて全く予測ができない事態となった。そして優勝ラインは3敗、そして4敗になる可能性も十分あった。

 役力士は照ノ富士は膝の状態が回復せず、5勝3敗で折り返した。観た限りでもギリギリの状態であり、あと一つ負ければ休場の可能性もあるといった状況だった。大関は正代は2勝6敗であり、この時点で来場所のカド番がほぼ決まったようなものである。また貴景勝は5勝3敗、御嶽海は4勝4敗で折り返したが、成績が示す通り好調とは言えず、後半戦は役力士との対戦が多くなるのを踏まえると厳しい状況になった。先場所優勝した若隆景は3勝5敗。黒星が先行する苦しい展開となった。やはり優勝した直後ということで思い通りに相撲は取らせてもらえない。この時点で大関昇進の足固めとなる二桁勝利は厳しくなった。また役力士ではないが先場所優勝を逃した高安は2勝6敗となった。やはり先場所と違って初日から上位戦が続くと相撲のリズムが作れなくなる。それでも上を目指すのであれば五分の星で折り返したかったところだ。

 そんな中で後半戦を迎えたが10日目終了時点で2敗は隆の勝と一山本の2人となった。そして3敗は5人だが役力士は照ノ富士一人だけとなった。この時点で優勝争いの行方がほんの少しだけ見えてきた感じがした。

続く