目指せ三役! 佐田の海 私が観た印象
最初に目に入ったのは十両時代である。ただ本人というよりも父の元小結佐田の海とどうしても比較してしまう。父は度々速攻相撲で上位力士を倒しており、存在感があった。しかし佐田の海は父ほどの立ち合いのスピードはなく、それが原因で苦労していた印象がある。十両に定着はしたものの、怪我もあって十両から陥落し、その後2年間幕下で低迷した。失礼ながらこのまま終わってしまうかも・・・と思ったこともあったくらいである。
しかし苦労は時に人を強くするものである。2014年1月場所で十両に復帰すると2場所連続で勝ち越し、同年5月場所で新入幕を果たした。また父も息子のことを評価しており、いつも息子が掛けていた電話での助言は「もうしない。それくらい進歩したよ」と話していたようである。そして翌2015年は平幕上位の番付に定着したものの、三役昇進とまではいかなかった。
その後は番付を下げ、平幕中位~下位での土俵が続き、十両に番付を下げたこともあった。しかし2022年5月場所は11勝4敗で2度目の敢闘賞を受賞すると番付を上げ、上位陣を破る活躍を見せた。しかし上位の壁は厚く、またしても三役昇進は果たせなかった。
2025年1月場所は20場所ぶりの十両だったが9勝6敗で勝ち越し、1場所で幕内に復帰した。私的にはしぶとく頑張っているというイメージである。
確かに出足は父に及ばないが、父より手足が長く、父にはない投げ技を持っている。そして父よりも相撲の幅が広く、関取の地位を長年守る中で技を磨いてきている。幕内在位は59場所であり、父の45場所を既に超えている。その意味では父を超えたと言っていいと思う。また関係者も頑張りを評価しており、父の事を持ち出す人はほとんどいなくなった。幕内では玉鷲に次ぐ高齢力士となったが体は動いており、まだまだ活躍できそうだ。
続く
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