木崎海引退について 受け身その1
一人目は元大関の琴奨菊である。現役力士であり、現在も幕内で土俵を務めている。身長180センチ、体重178キロであり、左四つからのがぶり寄りを得意としている。9月場所は左ふくらはぎの肉離れで3日目から休場するなど苦しい土俵になった。年齢は36歳である。
琴奨菊は現時点で幕内在位91場所であり、これは歴代7位である。大相撲は年6場所なので15年幕内を務めていることになる。立派としか言いようがない。そして琴奨菊は投げられた時の受け身の上手さに定評がある。特に白鵬には何回も投げられている印象があるがその度に奇麗に投げられて受け身を取り、スッと立ち上がっている。これが下手に踏ん張ってしまうと受け身が取れず、怪我にもつながりかねない。長く現役を続けられている要因の1つであるのは確かである。
2人目は元関脇寺尾である。現在は錣山部屋の師匠として指導にあたっている。現役時代は身長185センチ、体重116キロであり、体格に恵まれているとは言えなかったが回転の速い突っ張りを武器に1980年代~90年代に活躍した。幕内在位は93場所であり、歴代5位の記録である。
個人的に印象に残っているのが不利な体勢になると潔く土俵を割っていた相撲である。おそらく本人の中でここで踏ん張ると怪我をするかもしれないという意識がどこかで働いていたのだと思う。琴奨菊と違って軽量の力士だったので受け身を取るよりも土俵の外に出たほうが早いと考えていたのかもしれない。その成果もあり、39歳まで現役を務めた。また晩年は鉄人と言われることもあった。受け身を取っていた記憶は私にはない。しかし踏ん張らないという点では琴奨菊と同じである。
続く
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