これぞ理想の横綱! 照ノ富士 最後に 復活への覚悟
私は師匠のおかみさんが言った「覚悟の人」という言葉が全てだと思っている。間近で横綱のことを見てきた人が言うのだから間違いない。そして努力といってもただの努力ではなく、想像を絶する努力である。自分の相撲人生はもう長くないと言い切り、その覚悟は並々ならぬものがあった。また一ファンである私にも十分伝わってきた。
それに加えて覚悟はトレーニングだけでなく、出費にも表れていた。本気でトレーニングしようと心を入れ替えたが、人を雇ったり病院に通ったりしたことで、出費がかなりかさんだようである。非常に心苦しかったが、お母さんの家を売ったり、モンゴルにある両親の会社から崩したりして、お金をやり繰りした。そしてお金の大切さを知り、倹約を意識するようになった。入籍とともに奥さんに通帳をそのまま預けており、自身はなるべく必要なことにしかお金を使わないようにした。
世の中はリスクを背負った者だけがリターンを得られるようにできており、照ノ富士はそれができたからこそ横綱に上がれたのだと思う。普通はなかなかできない。来日前はスケート場を経営しており、経営者としての視点が復活劇を生んだと私は見ている。ただトレーニングをして、横綱になりましたという話ではないことは強調しておきたい。
続く
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