2025年1月場所を振り返って 優勝争い 12日目 琴櫻ー尊富士戦、千代翔馬ー大の里戦
3敗の尊富士は琴櫻戦だった。相撲は当たってすぐに尊富士が右四つ左上手の形を作った。そして前に出たものの琴櫻も右下手を取っており、右から振って体を入れ替え、琴櫻が勝ったかに見えた。しかし琴櫻の足が揃っていたこともあり、尊富士の右からの突き落としが決まった。
勝った尊富士は前日は大栄翔に敗れ、師匠から「強くなりたくないのか」とハッパを掛けられたようである。自分の相撲ではなかったが、起死回生の逆転勝ちで優勝争いに踏み止まった。
負けた琴櫻はこれで7敗目となり、勝ち越しに向けて後がなくなった。今日のような内容では・・・と言いたくなってしまうが、今場所の琴櫻は気持ちは伝わってくるものの体がついて来ないといった印象である。怪我がなければ綱取りの重圧としか言いようがない。
そしてもう一人の3敗の千代翔馬は大の里戦だった。相撲は千代翔馬が頭から当たると同時に大の里の右差しを警戒し、左を固めた。しかし大の里は左はおっつけながら差し、右上手を取ると一気に寄り切った。千代翔馬は考えて相撲を取ったものの、そこはやはり大関である。左からの攻めで圧倒された。これで千代翔馬は4敗となり、優勝争いから脱落した。
12日目終了時点で2敗は金峰山、そして3敗は豊昇龍、霧島、王鵬、尊富士の4人となった。3敗力士は王鵬を除く3人は幕内優勝経験者であり、初優勝を目指す金峰山を追いかけるという意味で面白い展開になってきた。一方金峰山は並ばれると厳しくなり、白星を並べて逃げ切れるかが焦点となった。
続く