2024年11月場所を振り返って 優勝争い 千秋楽 琴櫻ー豊昇龍戦 勝った琴櫻に関して
琴櫻は1年前は霧島との優勝争いに敗れ、今年1月場所は13勝を挙げたものの照ノ富士との優勝決定戦で負けていた。その後も優勝のチャンスがありながら終盤で星を落とした場所もあり、優勝が遠かった印象がある。しかし優勝したということで私的にも肩の荷が下りた感じである。
記録に関しては千葉県出身の優勝は1991年7月場所の琴富士以来33年ぶり。佐渡ヶ嶽部屋所属の力士の優勝は2016年1月場所の琴奨菊以来9年ぶり。そして14勝以上での優勝は2023年5月場所の照ノ富士(14勝1敗)以来1年半ぶりであり、大関では2027年1月場所の稀勢の里(14勝1敗)以来となった。
勿論祖父が元横綱・琴櫻ということで綱取りに向けて期待が高まる。しかし私が語りたいのは祖父ではなく、父であり師匠でもある佐渡ヶ嶽親方である。誰にも見られたくなかったのだろう。相撲は会場わきの駐車場に停めた車の中でテレビ観戦し、取組後は人目も気にせず号泣したようである。先述の琴奨菊は先代師匠の弟子であり、自身がスカウトした弟子の優勝は初めてで、しかもそれが息子である。「今日だけはちょっと、親でいさせてください」と語っており、パーティー会場では満面の笑みを浮かべていた。当然上を目指してほしいという気持ちはあると思う。しかし自身が叶わなかった大関昇進に続いて初優勝も果たしてくれた。婿養子であり、その点では師匠も苦労しているはずである。ということで私としては本人以上に師匠を祝福したい。優勝によって師匠の苦労が報われたと思うし、師匠の期待に応えた琴櫻は立派である。
続く
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