角界のスプリンター! 尊富士 来歴 110年ぶりの新入幕優勝
次の3月場所で新入幕を果たした。初土俵から所要9場所での新入幕は、年6場所制となった1958年以降の初土俵(幕下付出を除く)としては常幸龍と並ぶ史上最速タイのスピード出世となった。また新入幕から1場所通過は史上7人目となった。この場所も1月場所同様、初日から白星を重ね、中日勝ち越しを決めた。新入幕力士の中日勝ち越しは2011年5月技量審査場所の魁聖以来となった。そして中日時点で新入幕力士が優勝争い単独首位は、15日制が定着となった1949年5月場所以降初となった。また11日目は大関・琴ノ若を寄り切りで破り、元横綱・大鵬以来64年ぶりとなる新入幕力士としての初日から11連勝を果たした。12日目の大関・豊昇龍戦で敗れ、初日からの連勝はタイ記録の11でストップした。それでも12日目終了時点で11勝1敗であり、依然として単独トップだった。しかし14日目の朝乃山戦で敗れた際に右足首を負傷し、車椅子で運ばれたということで千秋楽の出場が危ぶまれた。それでも千秋楽は強行出場に踏み切った。そして豪ノ山を押し倒しで破り、1914年(大正3年)5月場所の両國以来110年ぶりとなる新入幕での幕内最高優勝を果たした。なお、大銀杏が結えない力士の優勝は初めてとなった。また殊勲賞、敢闘賞、技能賞の三賞も同時に受賞した。同一場所で三賞全てを受賞するのは2000年11月場所の琴光喜以来24年ぶり6人目となった。新入幕力士では1973年9月場所の大錦以来51年ぶり2人目となった。青森県出身の幕内優勝は、1997年11月場所の貴ノ浪以来27年ぶりとなった。場所後の春巡業は全休となった。
続く
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