頑張れ芝(紫雷)!のその後 まさかの休場

 3年半前に新十両昇進に向けて苦労している力士として芝を取り上げた。結論から言うと芝は2022年1月場所で新十両に昇進し、四股名を紫雷(しでん)に改名した。それでは芝のその後を振り返っていきたい。

 以前原稿を書いた時の番付は西幕下40枚目であり、2020年11月場所だった。番付が下がったこともあり、同年9月場所から5場所連続で勝ち越した。そして2021年7月場所は東幕下2枚目となり、新十両が目前となった。しかし3勝1敗から3連敗し、結局3勝4敗で負け越した。しかし翌場所は5勝2敗で勝ち越すと同年11月場所は西幕下2枚目であり、再び勝ち越せば関取昇進が見える地位となった。そしてこの場所は5勝2敗とし、幕下5枚目以上の地位では初めて勝ち越した。場所後の番付編成会議で正式に新十両が決定し、先述の通り四股名を紫雷に改名した。この四股名は入門から約2年が経過した頃に後援者から提案されていたものである。また四字熟語の「紫電一閃」に由来しているが、字画を考慮して「電」は「雷」に変えている。なお、町田市からの関取昇進は北太樹以来14年半ぶり史上2人目となった。

 しかし予期せぬ出来事が起こった。同年12月22日、日本相撲協会は芝改め紫雷が違法賭博に関与した疑いがあるため、師匠の判断で2022年1月場所を休場すると発表した。また師匠の木瀬親方から日本相撲協会に申告されたものであり、日本相撲協会により詳細の調査が行われることになった。そして2022年1月27日、日本相撲協会の定例理事会で紫雷はけん責処分になることが決定した。

 また処分前の2022年1月8日に、前年9月に摘発した草加市の違法カジノ店に出入りし賭博に関与した疑いで埼玉県警が英乃海と紫雷を事情聴取していたことが報道された。そしてコンプライアンス委員会の聴取に対して二人は賭博への関与を認め、埼玉県警の捜査関係者によって両力士の違法カジノへの出入りも確認された。結局英乃海の処分は出場停止一場所となった。また紫雷の処分は当時は関取ではなく、英乃海の付け人としての同行であったことも考慮された。

続く