2023年9月場所を振り返って 優勝争い その1

 2023年9月場所は大関貴景勝が熱海富士との優勝決定戦を制し、4場所ぶり4度目の優勝を果たした。成績は11勝4敗だった。また全休明けの大関による優勝は2003年3月場所の千代大海以来二人目の「快挙」となった。なお11勝4敗での優勝は一場所15日制が定着した1949年5月場所以降では4度目という珍しい結果になった。2017年9月場所の日馬富士以来となる。それでは優勝争いを振り返っていきたい。

 横綱照ノ富士が腰痛のため初日から休場。そして大関の霧島と貴景勝がカド番ということで場所前から混戦が予想された。そして予想通り3日目で役力士の全勝がいなくなり、5日目で全勝力士がいなくなるという大混戦となった。8日目終了時点で1敗は高安と再入幕の熱海富士の二人、それを2敗で関脇若元春など四人が追いかける展開となった。2敗まで広げても役力士は若元春一人しかおらず、3敗力士にまで優勝の可能性がありそうな雰囲気の中で後半戦を迎えた。

続く