2023年7月場所を振り返って 優勝争い その8

 まずは北勝富士が土俵に上がった。北勝富士が優勝するためには本割と決定戦の二番勝つ必要がある。条件はなかなか厳しいが、まずは本割で勝たないことには始まらない。また観ている方にとっても決定戦があるのかどうかという部分で非常に重要な一番となった。

 相撲は立ち合いで北勝富士が右手を出し、左からおっつけると錦木に廻しを与えない。上手く相手の懐に入って下から押し込むとそのままの流れで引き落とした。得意の押し相撲で攻めると同時に錦木に四つに組ませず、相手の持ち味を発揮させないという意味で北勝富士らしい相撲だった。これで優勝争いは決定戦に持ち込まれることになった。

 北勝富士は昨日は単独トップでの黒星ということでよく気持ちを切り替えたと思う。相手が連敗中の錦木とはいえ、勢い任せではなく、考えた相撲を取り、白星を手繰り寄せた。また12勝は自己最多の白星でもある。優勝争いを除いても意義のある勝利だったと言える。

続く