2023年7月場所を振り返って 優勝争い その4

 13日目。まずは2敗の北勝富士が土俵に上がり、遠藤と対戦した。取組の前に遠藤が対戦相手ということで私としては少し意外だった。単独ではないもののトップに立っており、役力士の若元春、豊昇龍と対戦した流れを見れば役力士にぶつけるという選択肢もあったと思う。しかし審判部は好調の遠藤を選んだ。遠藤には失礼だが北勝富士にとってはラッキーである。そして確実に勝っておきたい。相撲は立ち合いで当たってから遠藤の重心が低すぎた。それを見た北勝富士は遠藤の首根っこを押さえながら左に回り込むと手は付かなかったもののバランスが崩れた。そして北勝富士は左廻しを取ると送り出すような形で寄り切った。北勝富士らしい相撲であり、また今場所の充実ぶりを象徴するような一番だった。これで2敗を守り、優勝に一歩近づいた。

続く