2022年9月場所個別評価 佐田の海
今場所は西前頭5枚目という番付だったが9勝6敗という成績だった。前半戦は4勝4敗で折り返した。そして後半戦は役力士との対戦もあったが9日目は豊昇龍を上手投げで破り、対豊昇龍戦3連勝となった。また11日目は御嶽海を突き落としで破り、存在感を見せた。その後13日目に勝ち越し、14日目に9勝目を挙げるも千秋楽は若隆景に寄り切りで敗れ、二桁勝利は成らなかった。
内容に関しては右四つが得意の力士だが、左差しになっても構わず前に出る相撲を取っていた。そして前に出るだけでなく、上手投げで2番勝っており、投げ技も得意としている。また好内容の相撲が多かった。4日目の碧山戦は相手の突き押しを下からあてがい、引いてきたところをそのまま押し出した。11日目の御嶽海戦は右差しを左からおっつけられたが土俵際で体を開いての突き落としが決まった。14日目の琴ノ若戦も御嶽海戦同様右差しをおっつけられたが左からいなすと左上手を取って頭を付け、最後は一気に寄り切った。年齢は35歳でベテランの域に入ってきているが、相撲は若々しく、元気である。また速攻も父の元小結佐田の海のスピードに近づいてきた。そして父よりも手足が長いので投げ技やうっちゃりもある。速攻一本だった父より相撲の幅は広い。三役昇進の可能性が出てきたと言っていいと思う。
来場所は平幕上位の番付となりそうだが7年ぶりの上位挑戦の場所となる。佐田の海の特長は少しでも勝てる可能性があると分かれば、間髪入れずに攻め、一気に勝負を付けに行くところである。また思い切りがいいので相手が後手に回ることが多い。現在こういった力士は役力士にはいないので活躍できる可能性は十分ある。またご当所の九州場所ということで気分良く迎えられるのではないだろうか。当然だが結果を残し、父の番付に追い付きたい。