2025年11月場所を振り返って 優勝争い 10日目 大の里ー義ノ富士戦

 10日目。大の里は義ノ富士戦だった。初顔合わせだが学生時代に3度の対戦経験があり、お互いに全く知らない相手ではない。義ノ富士はここまで6勝3敗だが8日目から連敗しており、ここは大の里が挑戦を退けると見ていた。

 相撲は義ノ富士が頭からぶちかまして右を差すと左をのぞかせた。そしてたまらず大の里が引いたところを一気に押し出した。義ノ富士はご当所場所で価値ある初金星となった。

 勝った義ノ富士は「師匠に朝、どうやって行くんだと言われ、モロ差しで走りますと答えた。『固めてくるし、左は入らないと思う。我慢できずに上手からいくのは止めて、もう一回左を差しに行け』と言われ、自分もそうするつもりだった」と語った。

 そして意図していたかは分からないが、当たった時に大の里の曲げた右ヒジの下に、義ノ富士の曲げた左ヒジが入る形になった。このことで大の里は右を差すこともできなければ弾くこともできず、引くしかなくなってしまった。その点では義ノ富士の技能相撲だったのは確かである。

 一方負けた大の里は相手の術中にはまったというよりも、立ち合いの踏み込みと当たりの鋭さが弱かったことが敗因である。おそらくしっかり踏み込んでいれば義ノ富士の左からの攻めも弾けていたと思う。確かに引いたのは印象が良くないが、気持ちを切り替えて翌日からの相撲に臨めば問題ない。

 また1敗の安青錦が玉鷲に勝ったため、1敗は大の里と安青錦の2人となった。そして2敗は豊昇龍、3敗は義ノ富士、時疾風、錦富士の3人となった。大の里と豊昇龍の星の差が一つになったため、優勝争いが分からなくなってきた。

続く