角界のおにぎり君! 隆の勝 私が観た印象
最初に目に入ったのは十両時代である。押す力が強かったが、私が注目したのが左右どちらからでもおっつけができる点である。普通はおっつけが得意の力士は左右のどちらかである。逆に両方とのおっつけられる力士は少なく、対戦相手にとっては嫌である。また肩幅が広いのも特長であり、体が大きくなれば楽しみだと思っていた。その後入幕すると2020年3月場所は12勝3敗の好成績で初の敢闘賞を受賞した。ちなみにこの場所はコロナ感染が拡大した頃であり、無観客開催だった。またこの場所は碧山が技能賞を受賞しているが、碧山は稽古場横綱と言われており、無観客で稽古場に近い環境が活躍できた要因とも言える。そして隆の勝は緊張するタイプであり、無観客のおかげでリラックスして相撲が取れた印象がある。無観客で力を発揮できない力士もいる中で面白い結果になったと思っている。
その後一気に番付を上げ、同年11月場所では新関脇となり、8勝7敗で勝ち越した。また新三役で勝ち越すこと自体難しく、大関候補に名乗りを上げた。しかしその後は勝ち越したものの二桁勝利は挙げられず、大関昇進への起点は作れなかった。結局三役での二桁勝利はまだ一度もない。
そして今場所は三役復帰となり、東小結となった。ただそれまでは3年以上三役から遠ざかっており、上位と当たらない番付では大勝ちするものの、平幕上位の番付では勝ち越せないといった状況が続いている。また今場所は既に負け越しており、今後もこのような状況が続きそうである。
続く
最近のコメント