目指せ三役! 佐田の海 師匠の存在 「両国、天国と地獄」
さて師匠の現役時代の動画を探していたが、「両国、天国と地獄」という動画がユーチューブに上がっていた。動画は1990年7月場所7日目の北勝海戦であり、NHKが放映したものである。前日は千代の富士を一方的に押し出して金星を挙げており、その映像も流れていた。そして両国にとっては今日はもう一人の横綱を倒して・・・という流れだった。しかし相撲は当たる前に両国が思い切り左足を滑らせ、手を付いてしまった。その上に北勝海が上から被さる格好になった。決まり手は「叩き込み」だったが今なら「つき手」となる。面白かったのが取組後は両国は怪訝そうな顔をしており、何が起こったか分からなかったみたいだ。その後花道を下がる時は状況を理解し、がっかりした表情を浮かべていた。
確かに土俵上に塩がたくさん残っており、滑りやすかったのかもしれない。しかし私が思うのは両国の体型が滑った要因の一つだと見ている。昔から胴長短足は相撲向きと言われるが、両国はまさにその典型といった体つきをしていた。足が短い上に体重175キロの巨漢であり、立ち合いで低く当たろうとすればちょっとしたことでバランスが崩れることは十分考えられる。
また動画には「天国と地獄」と書かれてあるが、私的には「持ち味と欠点」である。千代の富士にとっては両国は胴長であり、廻しが取りにくいという意味で嫌な存在だったに違いない。一方北勝海と両国の対戦成績は北勝海の9勝2敗だった。北勝海が連敗したもののその後は9連勝し、全く寄せ付けなかった印象がある。よってこの動画は両国という力士を象徴していると考えている。
続く
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