目指せ三役! 佐田の海 2025年5月場所13日目の金峰山戦
2025年5月場所は10勝5敗の好成績で3度目の敢闘賞を受賞したが、中でも素晴らしかったのが13日目の金峰山戦である。突き起こされ、左に回り込んで凌いだものの右四つに組み止められた。佐田の海も右四つ得意ではあるものの巨漢相手にがっぷりに組み止められ、苦しい体勢に見えた。しかしその後寄られるも左に回り込んで残すと腰を引きながら金峰山の左上手を切った。その後頭を付けると力強く寄り切った。
勝因は金峰山の左上手を切ったことである。そして「廻しを切って頭を付ける」動きは若い頃は師匠に言われても全然できなかったようである。しかし何年か経ってからちょっとずつできるようになった。長年の稽古で培ってようやくできるようになった技術であり、技で勝った一番だった。取組後本人は「とっくに辞めていたら、こういうこともできなかった。親方に感謝です」と語っている。また継続できる能力が白星を手繰り寄せたとも言える。組み止められて勝負あったかに見えたが、攻防の中で上手を切って有利な体勢を作った。好内容に師匠の境川親方も内心喜んでいたかもしれない。いずれにしても巨漢相手に堂々と寄り切っており、三賞受賞にふさわしい相撲だった。
続く
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