2025年7月場所個別評価 友風
今場所は西十両2枚目だったが9勝6敗という成績だった。前半戦は5勝3敗で折り返した。そして後半戦は13日目に勝ち越しを決めると千秋楽は風賢央を叩き込み、幕内復帰に向けて大きな9勝目を挙げた。
内容に関しては勝った9番中6番が叩き込みであり、押して間隔が空いたところで絶妙な叩きを決めていた。3日目の錦木戦は錦木の右差しを左からあてがい、錦木が引いて回り込んだところをついて行って押し出した。6日目の欧勝海戦は欧勝海の左差しを徹底して嫌い、押し込んでの右のど輪からの叩き込みを決めた。「内容的には120点」と満面の笑みを浮かべていたようだ。8日目は東白龍との叩きのスペシャリスト対決となったが、少し遅れて立つと東白龍の右のど輪を左からあてがった後、右から叩き込んだ。右に体を開いており、冷静に対処した。年齢は東白龍より2つ上であり、経験値で上回った。
その一方で我慢できずに引いて呼び込む相撲も見られた。ただ相撲的には押し切れないと引いてしまうという取り口であり、紙一重の部分もある。また右膝を痛めていることも一因として挙げられる。気持ちの強さが求められるところでもある。しかし翌日にしっかり修正してくるのが友風の凄さである。そしてその結果としての9勝と言える。
来場所は8場所ぶりの幕内復帰となりそうだ。また9月場所後のロンドン公演にも参加できることになる。相撲を見ても幕内復帰への野心は見えず、一日一日の相撲に全力を注いだ結果である。まずは再入幕を祝福したい。勿論勝ち越しを期待したいが、大怪我を負った右膝は完治しておらず、まずは怪我なく15日間相撲を取り切ることが最優先である。そして勝ち負け以前に怪我をしない相撲を取ることが求められる。叩きだけではなく、できれば相手を引かせる相撲を一番でも増やしたい。
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