2025年7月場所を振り返って 優勝争い 14日目 熱海富士ー高安戦

 3敗の熱海富士は高安戦だった。過去の対戦成績は熱海富士が3勝1敗でリードしている。相撲は当たってすぐに熱海富士の右と高安の左の差し手争いとなった。その後熱海富士が右からいなすと右はおっつけに切り替え、左はハズ押しで高安を土俵際まで押し込んだ。しかし高安も元気である。上体が伸びながらも突き放してこらえると体を右へ傾け、守りの形を作った。その後熱海富士が右を差すも高安は右四つで両廻しを取って組み止めた。一方の熱海富士は得意の四つではあるものの廻しは取れず、苦しい形になった。しばらく両者の動きが止まったが、最後は高安の右下手投げに熱海富士がたまらず土俵を転がった。

 勝った高安は9勝目となり、二桁勝利に望みをつないだ。元気がなければ押し込まれた時点であっさり土俵を割っているところだが、粘って残せるあたりは好調さを物語っている。若手相手に経験の違いを見せつけた。

 負けた熱海富士は4敗となり、優勝争いから脱落した。今場所は久々の二桁勝利となったが、この一番に関しては押し込むも押し切れず、その後高安に両廻しを取られたあたりに物足りなさを感じる。もう少し攻めに厳しさが欲しいが今は新師匠の下での指導で発展途上ということなのかもしれない。

続く