2021年11月場所を振り返って 優勝争い その1

 2021年11月場所は横綱照ノ富士が2場所連続6度目の優勝を初の全勝で飾った。優勝争いに関しては8日目までは照ノ富士と貴景勝が全勝、それを1敗で御嶽海と再入幕の阿炎が追いかける展開となった。全勝と1敗が4人おり、そのうちの3人が役力士。そして阿炎も元小結の実力者である。いつになく引き締まった展開となった。この展開は上位力士が役割を果たしているという点で協会幹部も嬉しかったと思う。

 そして後半戦は10日目は貴景勝が明生に敗れて初黒星。そして御嶽海も宝富士に敗れて2敗に後退した。10日目終了時点で全勝は照ノ富士、1敗は貴景勝と阿炎、そして2敗で御嶽海など4人が追いかける展開となった。

 12日目は御嶽海が遠藤に敗れて3敗となり、優勝争いからほぼ脱落した。また2敗の力士がいなくなり、優勝争いは全勝の照ノ富士と1敗の貴景勝と阿炎の3人に絞られた。また阿炎は相撲内容も良く、再入幕ながら13日目は貴景勝戦が組まれた。勿論優勝争いにおいて注目の一番となった。

 相撲は立ち合いは貴景勝の方が踏み込んだように見えた。しかし阿炎はもろ手突きで応戦。特に右ののど輪押しが強烈で貴景勝が少しずつ後退。左へ回り込んでの突き落としを見せるも阿炎の体勢は崩れない。そしてさらに左へ回り込む貴景勝を突き押しで攻め込み、土俵の外へ押し出した。阿炎は完勝。一方貴景勝は完敗である。そして照ノ富士は全勝を守り、14日目は照ノ富士と阿炎の割が組まれた。今場所もという感じだが割崩しが行われた。阿炎が役力士と対戦する代わりに照ノ富士は正代との対戦が、そして貴景勝は御嶽海との対戦がなくなった。また照ノ富士と阿炎の対戦で照ノ富士が勝てば照ノ富士の優勝が決まり、阿炎が勝てば2人が1敗で並び、貴景勝にも優勝の可能性が出てくる。そして照ノ富士対阿炎は初顔合わせであり、その意味でも見逃せない一番となった。

続く