肥後ノ城引退について 略歴

 2021年11月場所を最後に三段目で元十両の肥後ノ城が引退した。残念だが年齢は37歳であり、ここまで本当によく頑張ったと思う。まずはお疲れさまでしたと言いたい。

 それでは肥後ノ城を紹介したい。肥後ノ城は熊本県出身で木瀬部屋所属だった。熊本農業高校から日体大に進学し、相撲部に入部。1年次から団体戦レギュラーとなったが個人戦は3位が最高の成績だった。大学卒業後は熊本で教員になることを志していたが当時は欠員がなかったため諦め、地元で就職した。しかし仕事に追われて相撲の稽古が満足にできなかったことがきっかけとなり、大相撲へ入門することを決意した。2007年11月場所で初土俵を踏んだが、新弟子検査を受けたのは当時の年齢制限の23歳の誕生日の4日前であった。まさにギリギリの入門である。

 番付に名前が載ってからは2008年1月場所で序ノ口優勝、そして同年5月場所では三段目優勝し、同年7月場所に幕下に昇進、定着した。そして2009年7月場所は幕下上位と言われる幕下15枚目以内の番付となったがここから壁にぶつかった。2012年からは幕下1桁台の番付に定着するも関取昇進を目前にした場所は負け越し、一進一退を繰り返した。しかし2013年9月場所では西4枚目で4勝3敗と勝ち越し、同年11月場所での新十両昇進が決定した。

 新十両の場所では7勝8敗で負け越しも翌2014年1月場所は8勝7敗で勝ち越し、自身初となる十両での勝ち越しを果たした。しかし翌場所から2場所連続で負け越しとなり、結局4場所で関取の座を明け渡した。

 そして幕下に転落した後も4場所連続で負け越した。その後は勝ち越しを続け、幕下1桁の番付まで戻すも負け越し、十両昇進の可能性が高くなる幕下5枚目以内には戻れなかった。2018年3月場所は東53枚目で7戦全勝し、自身初の幕下優勝を果たした。2020年7月場所では12年ぶりに三段目に転落した。そして2021年3月場所からは三段目での土俵が続き、今場所限りでの引退となった。

続く