これぞ理想の横綱! 照ノ富士 師匠の伊勢ヶ浜親方の存在 育成能力の高さ

 また現役時代のライバルだった千代の富士の師匠だった北の富士さんは「横綱2人を育てたのだから手腕を認めざるを得ない」と語っていた。現役時代は千代の富士に辛酸を舐めさせられてきたが、師匠になってからは育成能力をいかんなく発揮している。

 特に感心するのが翠富士である。体重115キロで幕内最軽量だが、動き回る相撲ではなく、前に出る相撲を取っている。また現時点で大きな怪我はしていない。スタミナ十分であり、相手を土俵の外に出すこともある。私的には師匠がいなければ今の翠富士はないと思っている。

 そして怪我への対応も適切である。休ませた力士は必ず回復し、我慢させた力士はそれなりの相撲を取って番付を守る。判断を誤ってズルズルと番付を下げるようなことはほとんどない。

 また厳しさばかりがクローズアップされるが、土俵を離れれば過度な厳しさはない。当時はちゃんこの時間も親方が付きっきりだったが、今はそこまで無理をさせない。門限も未成年は午後10時が目安だが、成人は自己判断に任せているようだ。よって時代に合ったやり方に変えるなど柔軟性も併せ持った人である。

続く