これぞ理想の横綱! 照ノ富士 2021年7月場所千秋楽の白鵬戦 相撲に関して

 横綱昇進前の一番である。しかも全勝対決であり、勝った方が優勝だった。仕切りの時からただならぬ雰囲気が漂っていた。日本出身力士が出せない類のものである。私的にはかつての朝青龍ー白鵬戦を思い出した。白鵬は長期休場明けであり、何としても優勝したいという気持ちがいつも以上に強く出ていた。一方の照ノ富士も綱取り場所であり、全勝優勝で横綱昇進といきたいところである。しかも白鵬は部屋を探してくれた恩人でもある。恩返しをしたいという気持ちもあったと思われる。

 相撲は最後の仕切りで立ち上がった後、お互いがにらみ合うという最近では珍しい動きとなり、館内から大きな拍手が起こった。その後照ノ富士が腰を下ろすと、白鵬が遅れて腰を下ろした。再度にらみ合いが続いたが、照ノ富士が両手を付くと遅れて白鵬も右手を付き、左手を付いて両者が立った。白鵬は左手を伸ばすと右からかち上げを見せた。一方照ノ富士はかち上げをかいくぐって左前廻しを取った。しかし白鵬は右へ回り込みながら照ノ富士の左前廻しを切った。そして体が離れた後は押し合い、張り合いとなった。その後白鵬が機を見て右を差すと左上手を取った。十分の体勢なのだが、照ノ富士の方が体が一回り大きい。照ノ富士も左上手が取れなかったものの右は差して下手を取り、守りの形を作った。その後照ノ富士が左からおっつけながら前に出たが白鵬は左からの上手投げで照ノ富士のバランスを崩した。そして白鵬の左上手が切れるとすかさず照ノ富士の左腕を抱え、小手投げで照ノ富士を這わせた。

続く