令和の怪物! 伯桜鵬 前師匠の宮城野親方に関して

 宮城野親方は元横綱・白鵬であり、幕内優勝45回の大横綱である。引退後は部屋付き親方だったが2022年7月28日、師匠であった12代宮城野と名跡交換し、宮城野部屋を継承して部屋持ち師匠となった。

 しかし2024年1月場所後に弟子の北青鵬の暴行事件が発覚し、師匠としての責任が問われた。そして宮城野部屋が閉鎖され、力士などとともに伊勢ヶ浜部屋所属となり、部屋付き親方となった。

 無期限での処分だが、伊勢ケ浜親方は今年7月が停年であり、おそらくそのタイミングで処分解除となり、部屋が再興されると見ている。しかし3月場所後の理事会では処分解除に関しては議題に上がっておらず、処分続行の可能性も考えられる。ということで今後の動向を注視していきたい。

 親方の処分は厳しすぎるという見方も多数あるが、私は現役時代の土俵内外での振る舞いが処分につながったと見ている。よって協会内にいる限りはこの処分は仕方がないという考えである。

 それでも一親方として伊勢ヶ浜部屋を見て、伊勢ケ浜親方から学ぶことが多かったのではないかと思っている。そして再興後は伊勢ヶ浜部屋の良い部分を取り入れつつ、指導して欲しいところだ。

 個人的に気になったのが弟子の育成能力である。北青鵬に関しては言うまでもないが、確かにスカウト力は素晴らしいものがある。伯桜鵬、炎鵬だけでなく、川副や天照鵬、今場所新十両優勝を果たした草野など、多くの有望力士をスカウトしている。しかし関取にはなるのだが、怪我が理由にしても幕下に番付を下げている力士が多く、関取として定着できていない印象がある。一方の伊勢ヶ浜部屋は定着できており、大きな違いである。よって今後は関取として育てるだけでなく、関取として長く土俵を務める力士の育成を求めたい。私としては関取に上がったということは一人前であり、一人前になったからにはすぐに幕下に落ちるようなことがあってはならないと思っている。多少遠回りしてでも、地力のある力士を育てていくことを今後期待したい。

続く