2021年9月場所を振り返って 優勝争い その3

 結びは照ノ富士は貴景勝戦だったが突き離され、なかなか廻しが取れない。そしてようやく左上手を取ったものの上手は深く、体勢も棒立ちである。最後は上手投げで仕留めたものの、相手が突き押しだけの力士ということで助かった部分もあったと思う。千秋楽に向けて少し不安の残る内容だった。

 そして注目は千秋楽の取組である。最近になって千秋楽だけは14日目の取組終了後に組まれるようになった。注目は当然妙義龍の対戦相手である。妙義龍は対大関戦に連勝しており、流れ的には照ノ富士との対戦かと思われた。しかし対戦相手は明生だった。そして照ノ富士は番付通り正代との対戦となった。賛否両論あったが、私はこれで良かったと思う。理由は2つある。1つは相星ではなく、星1つ差ついていたことである。そしてもう1つは妙義龍の番付である。今場所は西前頭10枚目であり、単純に前頭2桁の番付の力士を千秋楽に横綱にぶつけるか?という疑問はあったと思う。おそらく審判部もその点を議論した上での取組編成となったのではないか。

 さて千秋楽は照ノ富士が勝てば優勝だが、妙義龍が明生に敗れれば結びの一番を待たずして照ノ富士の優勝が決まる。そして妙義龍が勝ち、照ノ富士が敗れた場合のみ、両者による優勝決定戦となる。

続く