祖父の背中を追いかけて 琴ノ若 最後に
9月場所は3勝7敗5休という成績に終わった。9日目の宝富士戦で左膝を痛め、10日目から休場した。残念な結果になったがそれでも8日目は正代を上手投げで破り、記念すべき対大関戦初勝利を挙げた。立ち合い負けし、左を差され、一気に寄られたものの右上手を取り、思い切って左に体を開いての上手投げで正代を転がした。背中の柔らかさと、勝負を付ける早さという部分で琴ノ若の持ち味が発揮された一番だったと思う。立ち合いに関しては課題ではあるが、すぐに立ち合いの当たりが強くなるわけではない。本場所の土俵と稽古で少しずつ当たりを強くしていきたい。また現在はコロナで出稽古ができない状況なので合同稽古に参加し、ぶつかり稽古をしてもらうのも手だと思う。いずれにしても先々は上位力士が相手でも五分の立ち合いができるようになりたい。
最後に十両昇進時、四股名と同時に名前も本名の「将且(まさかつ)」から、祖父の琴ノ若が名乗っていた「傑将」から一字を取り、「傑太(まさひろ)」に改名した。祖父への気持ちを強く持っていることがよく分かる。確かに祖父は元横綱であり、偉大であるのは事実である。しかし横綱に昇進したのは32歳2か月であり、遅咲きだった。琴ノ若は現在23歳であり、何も焦る必要はない。今までの流れで力を付けていけばいずれは上位力士に通用するようになると私は見ている。あとは現在体重は173キロだが、これ以上は増やしたくない。今の体重をキープしたいところだ。祖父の背中を追いかける日々はまだまだ続く。
終わり
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