目指すは三代目若乃花! 安青錦 最後に

 相撲の取り口を見れば目指すべき力士は間違いなく三代目若乃花である。懐に入り込む形や懐に入った後の技は若乃花にそっくりである。おそらく真似ているのではなく、元の相撲の型が若乃花と似ているということだと思う。ということで若乃花の相撲を手本としつつ、自分の型を作っていくことが強くなる一番の近道だと言える。

 ただ一つ言いたいのが三代目若乃花が相撲を取っていた頃と今では時代が違う。若乃花が活躍していた頃は小錦、曙、武蔵丸といった巨漢のハワイ勢が幅を利かせており、ライバル相手に懐にかいくぐるような相撲を取っていた。しかし現在は押し相撲の力士が増え、巨漢力士は以前より少なくなっている。よって当時の若乃花のような相撲を取る必要はない。

 そこで参考にしてほしいのが師匠の元・安美錦の相撲である。時代が近い上に相手に力を出させない相撲を取っていた。この部分は非常に優れたものを持っており、大いに参考になるはずである。そして三代目若乃花の相撲をベースに、師匠のような相撲も取って欲しいというのが私の考えである。

 十両昇進時には関係者から化粧廻しを5本頂いており、期待の高さがうかがえる。そして個人的には下からしぶとく、且つしつこく攻める取り口が大好きである。現時点では引き技などの悪癖は持っておらず、今の相撲を磨いていけば自ずと力が付きそうである。

 確かに新入幕は素晴らしいことだが、能力的にはここで満足してもらっては困る。本人が言うようにここから頑張ることが大事である。まずは三役、そしてその上を目指したい。目標は三代目若乃花の最高位の横綱である。ヨーロッパ出身初の横綱に慣れる素質を持っており、いずれは上位力士の間に割って入ってくるはずである。今後の成長が今から楽しみで仕方がない。

終わり