2025年1月場所個別評価 琴櫻
今場所は初めての綱取り場所となったが5勝10敗に終わり、来場所は初のカド番となった。白星スタートも2日目からはまさかの5連敗となり、綱取りが早々と消滅した。7日目からは締め込みを黒に変えて臨み、そのおかげもあってか巻き返した。しかし12日目からは優勝を争う尊富士、金峰山に連敗して負け越しが決まった。
内容に関して立ち合いの踏み込みが甘く、その流れで後手後手に回る相撲が目立った。また気持ちが伝わってくる一方、体が全く動いていなかった。大関なので本来なら立て直さないといけないのだが、立て直せないまま場所が終わってしまった。
師匠の佐渡ヶ嶽親方は語る。「見えない重圧でしょうね。(頭では)自分がやらなきゃいけないことは分かっているんだけど、体が動いてくれない。相撲が守りに入っている。本人も場所前に『まだまだ自分には足りないところがいっぱいある』と言っていた。その足りない部分を感じているのでは」
その足りない部分の一つはスピードだと私は思っている。スピードに関しては横綱に昇進した豊昇龍や同じ大関の大の里の方が上である。ただすぐに解決できる部分ではなく、時間がかかると予想している。祖父の琴櫻は32歳での横綱昇進であり、父の琴ノ若は幕内90場所を務め、息の長い力士だった。よって奥手の血が流れており、大関ではあるものの、以前でいえば稀勢の里の大関時代のように長い目で見守って欲しいと思っている。時間はかかるかもしれないが、私は横綱になれると信じている。
来場所はカド番となるが、カド番脱出は問題ないと見ている。今度は綱取りのプレッシャーはなくなるので自分の相撲を取ることに集中したい。
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