2024年11月場所個別評価 朝紅龍
今場所は東前頭17枚目であり、新入幕の場所となったが6勝9敗という成績だった。6日目までは3勝3敗と五分の星だったが白星先行の展開にはならなかった。7日目から3連敗するなどその後は黒星が増え、13日目に負け越しが決定した。
さて朝紅龍を紹介したい。朝紅龍は大阪府四条畷市出身で高砂部屋所属であり、年齢は26歳である。また身長177センチ、体重122キロであり、押し・右四つ・寄りを得意としている。日体大では学生選手権3位の実績があり、三段目最下位格(100枚目)付出での初土俵となった。
内容に関しては動きの良さを生かした引き技と投げ技で白星を挙げていた。負け越したものの一方的な内容での黒星は少なく、善戦及ばずといった内容が多かった。特に惜しかったのが7日目の湘南乃海戦である。当たった後押し込んだものの湘南乃海に右に回り込まれた。動きが止まった後湘南乃海の右を手繰り、左を差して一気に前に出た。しかし湘南乃海に右上手を取られ、上手ひねりで転がされた。あと一歩の相撲であり、取組後は悔しそうな表情を浮かべていた。持ち味を発揮したのは11日目の竜電戦である。当たってすぐに左に回り込むと懐に入って左を差し、下手をつかんで投げて転がした。まさに小よく大を制す内容であり、館内のお客様も喜んでいた。
本人は「いい相撲もあったけど、悪い相撲もあった。ちょっとの差だけど、そのちょっとの差が勝てるかで全然違う」とコメントしていたが、本当にその通りだと思う。一番の近道はやはり増量である。スピードを落とさないでという条件が付くがもう少し体重を増やしたい。また東十両8枚目からの新入幕であり、ラッキーな昇進でもあった。幕内の土俵を経験できただけで収穫だったと思うし、この経験を次に生かしたい。
来場所は十両陥落となるが、1場所での再入幕を期待したい。ただ腰椎椎間板ヘルニアで冬巡業を休場しており、それが少し気になる。できるだけ体調を万全にして1月場所に備えて欲しい。幕内に定着すれば館内を盛り上げる存在となりそうなので更なる成長が望まれる。
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