2024年11月場所個別評価 獅司
今場所は東前頭16枚目であり、新入幕の場所だったが5勝10敗で負け越した。連勝スタートも3日目からは5連敗し、前半戦は3勝5敗で折り返した。そして後半戦も9日目から5連敗し、大きく負け越した。場所中に師匠と話して朝稽古をして修正をしたようだが結果は出なかった。
さて獅司の紹介をしたい。獅司はウクライナ・ザポリージャ州・メリトポリ出身で雷部屋所属であり、年齢は27歳である。また身長193センチ、体重171キロであり、左四つ・寄り・上手投げを得意としている。ウクライナからは初めての幕内力士であり、元小結・垣添の雷部屋からも初の幕内力士となった。
内容に関しては本人が言うように上手さ負けした印象がある。ポイントは3日目の阿武剋戦だったと見ている。熱戦の末、最後は上手投げで敗れたが、取組を見て他の力士が組み止められたら大変と思ったかもしれない。翌日からは対戦相手が廻しを取られても組み止められる前に投げを打ったり、とにかく離れて相撲を取ったりと対策を練られた。元々が組み止めてじっくりと相撲を取るタイプなので戸惑いがあったかもしれない。しかしこれこそが幕内と十両の違いである。スピードが速いので基本的には長い相撲は取らせてもらえない。今場所を観た限りでは幕内には上がれても幕内での勝ち越しは厳しいかもしれない。ただ新入幕力士は負け越す力士が大半であり、その意味では悲観することはない。
来場所は十両へ逆戻りとなるが、二桁勝っての幕内復帰を期待したい。十両には同じくウクライナ出身の安青錦がおり、先輩力士として負ける訳にはいかない。背が高いだけでなく手足も長く、魅力のある力士なので入幕で満足せず、もっと上を目指して欲しい。
最近のコメント