2024年11月場所を振り返って 優勝争い 13日目 大の里－豊昇龍戦
さて相撲に関しては先述の通り琴櫻は隆の勝戦が組まれた。そして豊昇龍は大の里との一番となった。
先に土俵に上がったのは豊昇龍だった。大の里戦だったが過去の対戦成績は豊昇龍の3勝2敗であり、大の里の2勝のうちの1勝は不戦勝である。先場所は大の里が一気に押し出したがその前はいずれも豊昇龍が下手投げで勝っている。ただ今場所の豊昇龍は投げ技に頼らなくても立ち合いの踏み込みが鋭いので大の里の出足を止められると見ていた。
相撲は大の里のもろ手突きを豊昇龍が下から押し上げて前に出た。その後大の里が右のど輪で反撃して押し込んだが土俵際で豊昇龍が左から大の里の右を手繰ってのとったりで大の里を転がした。豊昇龍も左足は俵の上であり、大の里とともに土俵の外に飛び出したということで体勢的には微妙だった。しかし豊昇龍の左足は残っており、物言いは付かなかった。豊昇龍は1敗を守って残り2日となった。
内容に関しては豊昇龍が当たって大の里を押し込んだことが全てだと思っている。そして押しこんだからこそ逆転のとったりが決まった。しかし逆転とはいってもとったりの瞬間は両者に間隔ができており、その分だけ豊昇龍にゆとりがあるように見えた。足腰が柔らかいので簡単に土俵を割らないのが持ち味の一つである。
負けた大の里は逆に豊昇龍に押し込まれたことが敗因である。やはり先場所のように当たって一気に持って行くくらいの内容でないと豊昇龍には勝てない。ただ今場所は稽古不足であり、悲観することはない。体調さえ元に戻れば互角に戦えると見ている。
続く