2024年11月場所を振り返って 優勝争い 11日目 隆の勝ー大の里戦
11日目。1敗力士のうち、琴櫻は若元春戦だったが差し手争いを制すると一方的な内容で押し出した。そして豊昇龍は大栄翔戦だったが押し合いの攻防となり、豊昇龍が機を見て懐に入ると二本差した。その後大栄翔の左右からの突き落としをこらえると最後は押し出した。ということで両大関は1敗を守った。
そしてもう一人の1敗の隆の勝は大の里戦だった。大の里は前日は大栄翔に敗れて3敗となり、優勝に向けてはこれ以上は負けられないところである。相撲は立ち合いで隆の勝が左にずれて当たるとすぐに右のど輪を入れて大の里の上体を起こした。その後右を差すと大の里の右からの突き落としに乗じて一気に押し出した。勝った隆の勝はずれるような立ち合いはほとんど見せない力士なので効果があった。立ち合い勝ち、そして作戦勝ちである。ずれて当たっての右のど輪ということでイメージ通りの相撲が取れたという印象である。一方負けた大の里は今場所を象徴するような内容だった。本来なら相手にずれた立ち合いをされたところで対応できる力士である。しかし対応できず、一方的に攻められての完敗だった。アデノウイルス感染症のため秋巡業を10月17日に離脱し、稽古ができなかった。その後福岡入り後は稽古を積んだものの、間に合わなかったという感じである。また新大関の場所であり、仕方がないという面もある。これを糧にして来場所に備えたい。
2敗力士に関しては尊富士は豪ノ山に、そして阿炎は阿武剋に敗れて3敗に後退した。ということで2敗力士がいなくなり、残り4日あるものの、優勝争いは1敗の3人にほぼ絞られたという状況になった。
11日目終了時点で1敗は琴櫻、豊昇龍、隆の勝の3人、そして3敗は若隆景、阿炎、豪ノ山、阿武剋、尊富士の5人となった。
続く
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