この部屋に注目! 中村部屋 部屋の紹介
9月場所は在籍している8人中7人が勝ち越し、早速稽古の成果を出したと言える新生中村部屋。従来の相撲界の稽古にこだわらない指導方針で話題を集めており、注目されている部屋である。それでは中村部屋を紹介したい。
・部屋の紹介
師匠の中村親方の元関脇・嘉風は引退後は所属していた尾車部屋付きだった。しかし師匠の尾車親方(元大関・琴風)の停年に伴い、2022年2月7日に部屋が閉鎖されたため力士8人、呼出1人とともに同じ一門の二所ノ関部屋に転籍した。
それから2年が経過した2024年5月30日に開かれた日本相撲協会の理事会で、中村親方が二所ノ関部屋から幕内・友風、前日に新十両が決定した幕下・嘉陽ら力士8人、呼出・床山各一人を連れて、同年6月1日付で中村部屋を創設することが承認された。中村部屋所属となる力士は2022年に尾車部屋から二所ノ関部屋へ親方とともに転籍した力士が中心である。しかし二所ノ関部屋で初土俵を踏んだ力士でも嘉陽ら2人が中村部屋へ転籍した。一方尾車部屋に入門した力士でも麒麟龍は中村部屋に転籍せず、二所ノ関部屋に残留した。また十両の白熊は中村親方の内弟子だったが転籍せず、残留となった。親方が転籍前に希望を聞いており、その結果のようである。ただ内弟子でも親方にはついて行かないという前例を作ったことになり、転籍に関しては今後影響を与えそうである。
部屋は2024年4月に閉鎖された旧陸奥部屋の施設を使用している。かつては旧両国予備校の校舎であり、稽古場も元教室からの改装のため、他の部屋より狭いようだ。また二所ノ関部屋は茨城県内にあり、国技館に通うのに1時間半ほどかかっていた。それが中村部屋は両国駅から程近く、場所入りまで5分とかからない。「通勤時間」がほぼなくなったことで疲労が大幅に軽減されたのは間違いなくプラス材料である。引っ越しの際は大量のトレーニング機器などが運び込まれたが、最大の注目は推定300万円の酸素ボックスである。3階にあるトレーニングルームの横に設置された。高気圧により血中酸素濃度を高め、怪我や筋肉疲労の早期回復や、長時間分の睡眠効果が得られるという。親方が言うように、力士が生活しやすい環境の下でスタートを切ったと言えそうだ。
続く
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