角界のスプリンター! 尊富士 故障歴
尊富士を語る上では避けては通れない部分である。高校2年次に左膝前十字靭帯を断裂した。その後高校3年秋の国体で再び左膝を負傷した。そして日大2年次には右膝も痛めた。情報の限りでは左膝は手術しており、右膝は手術はせず、周囲を筋肉で固めているようだ。このような状況の中で心の支えになったのは膝の大怪我から奇跡の復活を遂げた照ノ富士の存在だった。「(膝を)両方怪我しているのに、そこから今は横綱なので、その人に指導されながらやったら絶対に間違いはない。横綱の生き方が僕には響きました」と入門時に語っている。
相撲は下半身が大事とよく言われるが、両膝を痛めており、鍛えるにしても四股やすり足が精一杯と思われる。間違っても重りを担いでのスクワットなどはできない状況である。下半身を鍛えられないというのは力士にとって致命的である。押すにしてもおっつけるにしても、上半身だけでなく下半身と連動するものだからである。しかし下半身は鍛えられないので上半身を鍛えて補っているという状況である。もっとも本人は上半身のトレーニングが大好きであり、好きだからこそ上半身の筋肉が発達しているのかもしれない。
よって今後も下半身の怪我がつきまとうと私は見ている。能力的には幕内優勝を果たしているように上位で取れる力士である。ただし三役には上がれたとしても大関昇進は少なくとも3場所で星を揃える必要があり、厳しいと予想している。やはり大関に上がるためにはしっかりとした下半身の土台が必要不可欠である。
ということで優勝して、怪我をして、また優勝しての繰り返しになるというのが私の見立てである。大関は厳しいかもしれないが、平幕優勝の最多記録は作れるかもしれない。ちなみに現在の平幕優勝の最多は玉鷲の2回である。しかし尊富士には記録よりも記憶に残る力士を目指して頑張って欲しいところだ。
続く
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