角界のスプリンター! 尊富士 私が観た印象
初めて観たのは幕下時代である。出足を活かした押し相撲と四つ相撲で圧倒していた。大抵の力士は幕下で苦労するものだが、速攻相撲であり、相手に反撃の隙を与えない相撲なので負け越し知らずで十両に昇進した。鋭い出足に加えて上半身の筋肉が発達しており、褐色の肌ということもあって強いインパクトがあった。その一方で十両に上がって今の相撲でどれくらい通用するかは私的には半信半疑の部分があった。しかし初日から9連勝するなど圧倒的な強さを見せ、新十両優勝を果たした。この時点で大物であることを確信した。
次の2024年3月場所で新入幕となったが、初日から白星を並べることは想像できた。問題は後半戦である。平幕上位の力士や役力士と対戦した時にどうなるか?。しかし役力士にも勝ち、初日からの連勝を11まで伸ばした。その後は14日目の朝乃山戦で右足首の大怪我をしたものの千秋楽は執念で土俵に上がり、豪ノ山を破って新入幕優勝を果たした。しかし無理をした代償は大きく、5月場所から2場所連続で休場した。足首の靭帯が伸びており、様子を見ながら少しずつ回復させていくしかない。それでも9月場所は本来の相撲を千秋楽まで取っており、おそらく今後も大丈夫と思われる。また休場している間に上半身のトレーニングに励んでいたようだ。一回り大きくなっており、廻しを取る相撲に力強さが加わった印象である。再度幕内での活躍が期待される。
続く
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