2024年9月場所を振り返って 優勝争い 14日目 錦木ー王鵬戦、大栄翔ー若隆景戦
14日目。まずは優勝の可能性を残す3敗力士の取組からである。錦木は王鵬との一番だった。王鵬は自己最高位で勝ち越しており、新三役に向けて非常に大事な終盤戦となる。相撲は立ち合いで錦木が珍しく右からかち上げると左を差して一気に寄り、王鵬が左へ回り込もうとするも構わず前に出て最後は寄り倒した。今場所の錦木の勢いを象徴するような内容だった。一応左は差し、右は抱え込む形にはなっているものの、形よりも錦木らしく、馬力を前面に押し出した相撲だった。またこれで幕内では自己最多の11勝目であり、本人も嬉しかったようである。一方負けた王鵬は千秋楽に新三役を懸けての土俵となる。
若隆景は大栄翔戦だった。相撲は当たって大栄翔が押し込むも若隆景が押し返すと押し合いの攻防となった。また若隆景は大栄翔が横にいなす相撲が増えていることが分かっており、相手の動きを見ながら相撲を取っていた。そして自らいなした際に足を滑らせたがそのタイミングで左を差すと一気に寄り倒した。これで11勝目となったが、勝ち星以上に内容が良かった。大栄翔相手にこれだけの相撲が取れればほぼ復調したと見て良いのではないだろうか。また右膝を痛めていることもあり、以前のような動き回るような相撲ではなく、自らは動かず、相手の動きを見ながら攻めるといった相撲を期待したい。
続く