逃げない相撲を取る男! 大栄翔 大関獲りを逃した2023年7月場所 その2

 結局この場所は力が一歩及ばなかったという印象である。それは同じく9勝6敗で大関獲りを逃した若元春も同様である。一方豊昇龍は12勝3敗で初優勝を果たし、3人の中で唯一大関昇進を決めた。ただ豊昇龍も14日目終了時点では審判部に内容を評価されていた訳ではなく、千秋楽に勝って優勝したことで大関昇進となった。3人同時昇進も期待されたが、フタを開けてみれば大関昇進は豊昇龍一人という結末となった。

 本人も場所前は今年で30歳となり、そう長くは相撲を取れないと語っていた。ということで最善を尽くした結果であり、これは仕方がない。ただ大関獲りの最大のチャンスであり、チャンスを生かせなかったのは痛かったと言わざるを得ない。

 しかし話はここで終わらない。勝負を懸けた場所で失敗すればその反動で精神的に落ち込み、番付を下げてもおかしくない。しかし9月場所からは10勝、9勝、9勝をマークし、関脇の座を維持した。そして改めて地力の高さを示した。その後今年の3月場所は負け越し、5月場所は平幕に陥落した。しかし5月場所は11勝を挙げ、7月場所では再び三役復帰となった。年齢は上がってきたものの、大関候補の一人という立場に変わりはない。

続く