逃げない相撲を取る男! 大栄翔 来歴 新十両まで

 はじめにキャッチフレーズをどうしようか迷った。大関獲りまで駒を進めた実力者であり、力強い突き押し相撲も魅力がある。しかし他の力士と比べて引き技やいなしが圧倒的に少なく、正攻法の相撲を取るという部分で「逃げない相撲を取る男!」という文句がピッタリだと思い、付けた次第である。それでは大栄翔を紹介したい。

 大栄翔は埼玉県朝霞市出身で追手風部屋所属であり、年齢は30歳である。また身長182センチ、体重165キロであり、突き・押しを得意としている。

 小学校1年生から相撲を始め、中学時代は入間市の入間少年相撲クラブに通うかたわら、園芸部に所属した。そして埼玉栄高校時代は3年次にインターハイ団体2位、個人3位、国体でも団体2位の実績を残し、高校卒業直前の2012年1月に入門し、追手風部屋で初土俵を踏んだ。前相撲は本名の「高西」の四股名だった。

 翌3月場所で「大翔栄」の四股名に改めて、初めて番付に名前が載り、その後初土俵から所要1年で初の幕下に昇進した。またその間に四股名を現在の「大栄翔」に改めた。「栄」の字が四股名の最後に来ると怪我をすると言われ、事実怪我をしてしまったことが改名理由である。その後三段目に陥落するなど、壁に当たることもあった。しかし2012年3月場所に同部屋の遠藤が入門して史上最速で幕内まで駆け上がったことに刺激を受け、発奮した。そして同年5月場所で三段目優勝を果たした。

 2013年11月場所以降は幕下上位の番付に定着した。そして2014年5月場所は東幕下2枚目で6勝1敗の好成績を収め、場所後の番付編成会議で翌7月場所での新十両が決定した。入門から僅か2年半での関取昇進であり、出世が早かったと言える。また追手風部屋からは、大学を経ずに入門した日本出身力士が十両へ昇進するのは初めてのこととなった。

続く