2021年1月場所個別評価 鶴竜

 今場所も全休した。これで4場所連続休場となり、3月場所に進退を懸けることになる。去年の11月場所後に白鵬とともに横審から「注意」が決議された。そして12月10日に帰化申請が認められた。このことで引退しても親方となり、協会内に残れるようになった。本人によると手続きには2年半の時間を要したみたいだが帰化できて本当に良かったと思う。これで心置きなく相撲に集中できる環境が整った。

 そして12月の合同稽古は顔を出したものの申し合いは回避した。相撲を取る稽古は年末に1日だけ霧馬山と三番稽古を行ったみたいだ。三番稽古とは2人だけで何番も相撲を取る稽古である。しかし年が明けてからは相撲を取る稽古はできず、調子が上がらなかった。結局場所直前まで様子を見るも腰椎すべり症で休場した。

 11月場所前よりは腰の状態が多少上向いたようにも感じたが休場という結果は一緒である。写真を見た限りでも筋力が落ちており、怪我とは別に相撲を取るのが恐いという気持ちもあると思う。また白鵬と違って合同稽古で他の力士を圧倒している訳でもないので今後に向けては厳しいとしか言えない。個人的には3月場所前の稽古で調子が上がらなければ相撲を取らずに引退でもいいと思う。ただ鶴竜が引退すれば白鵬の一人横綱となり、白鵬にかかる責任は一段と重たくなる。また白鵬も年齢は35歳であり、横綱不在となる可能性も十分ある。鶴竜が引退することで他の力士に大きな影響が出ることだけは間違いなさそうだ。おそらく横審もそのあたりのところを含めて考えていると思う。また本人が引退したくても引退できない状況が周辺にあるのかもしれない。いずれにしても横綱なので横綱としての役割を果たしてほしいのだが・・・。