2024年7月場所個別評価 正代 

 今場所は東前頭10枚目だったが10勝5敗の好成績だった。連敗スタートも3日目からは連勝し、前半戦は6勝2敗で折り返した。そして後半戦は12日目に勝ち越しを決めると終盤は連勝し、8場所ぶりの二桁勝利となった。

 内容に関しては左差しの相撲が多かったが体の動きが非常に良かった。3日目の翠富士戦は懐に入られるも肩越しに両上手を取った後、右上手を離して相手の左前廻しを切り、左上手で振り回した後腰をぶつけて土俵の外に運んだ。8日目の若隆景戦は平幕2敗同士の対戦となったが巻き替え合いの応酬となった。そして若隆景の左からの出し投げに泳ぎかけたものの、向き直ると左からの突き落としが決まった。千秋楽の武将山戦は土俵際まで押し込まれたものの、左からの突き落としで這わせた。いずれも勝つか負けるか紙一重の内容だったが、動きが良かった分白星につながった。元大関なのでこの地位での二桁勝利は当然なのだが、年齢は32歳であり、衰えてきてもおかしくない年齢である。よって二桁勝利は意味があったと私は思っている。

 9月場所は東前頭4枚目となり、役力士との対戦もありそうだ。体は柔らかく、立ち回りが上手いタイプなので上位力士に勝てるチャンスは十分ある。一人でも多くの役力士を倒し、元大関として存在感を発揮することを期待したい。