2024年7月場所を振り返って 優勝争い 千秋楽 優勝決定戦の前に思ったこと

 決定戦となり、東の支度部屋に控えていた隆の勝が西の支度部屋に回る。そして改めて身支度をし、両者が備える。いつもの事だが、この時間は観ている方からすれば何とも言えない「間」がある。勿論対戦する両者もいろいろ考えるのだろうが、おそらく私も含めて観る人もいろいろ考えると思う。そして私が思ったのは、仮に隆の勝が優勝すれば、話としてはできすぎているのではないか?ということである。勢いに関しては誰が見ても隆の勝の方が上である。しかし13日目時点では星二つ差あり、直接対決は勝ったものの、それでも自力優勝できない立場だった。そして千秋楽は琴櫻が「援護射撃」してくれたおかげで決定戦に進出できた。また決定戦で隆の勝が勝てば照ノ富士の独走はいったい何だったのか?という話になってしまう。ましてや横綱である。

 一方照ノ富士は肉体的にも精神的にも追い詰められた。しかし照ノ富士は幾度となく修羅場を乗り越えてきている。そして決定戦となった時点で腹をくくったものと思われる。また隆の勝に簡単に逆転優勝を許すとは思えない。それに加えて大相撲に限らずスポーツ全般においては調子が良い方が勝つといった単純なものではない。経験や場数がものを言うことは多々ある。よって根拠はないものの、今度は横綱が勝つと見ていた。

続く